【END and RE:TURN】

□悩み
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「…よし、そろそろいいかな?」

伸びた髪に触れながら、シンジは呟いた。



2週間前、葛城邸―

「…ねぇ、シンジ君?」

シンジの揚げた天ぷらを食べながらミサトが聞く。

「何ですか、ミサトさん?」

「…アスカのこと、どうなの?」

途端、シンジは飲んでいたウーロン茶を噴き出してしまった。

「な、何ですかいきなり!?」

「いやぁねぇ、前にアスカのことでシンジ君をからかった時の反応が、いかにもって感じだったからねぇ…で、どうなの?」

「…分かんないんです。」

「え?」

「その、僕がアスカに抱いてる感情って、純粋に好きって感情なのかなぁって。」

「そうじゃないの?」

「うーん、もしかしたら、ただ依存したいだけじゃないのかなぁって…」

「…シンジ君、アスカの良いとこ言ってみて。」

いきなりで驚くシンジ。

「な、何でそんなこと…」

「言いなさいシンジ君。」

ミサトの瞳は真剣そのものだった。

「………自分の意見をはっきり言えるとこ。」

顔を真っ赤にしながら小さな声で言うシンジ。

「ちゃんと見てるわね。
じゃあ、欠点は?」

「人の話を聞かないとこですね。」

「そ、そう(今、ほとんど考えてなかったわよね?)。
じゃあ、自分の良いとこは?」

「うーん、欠点ならたくさん出てくるんですけどね?」

「例えば?」

「内罰的、優柔不断、エッチ、バカ、スケベ、変態、あとは…」

「ちょっ、ちょっと、そこまで自分を卑下しなくてもいいじゃない!?」

「全部アスカに言われたことですよ。」

「…まぁ、いいわ。
今のでシンジ君の良いとこも分かったし。」

「えっ?何ですか?」

「ちゃんと人の話を聞くとこよ。」

「そうですかね?」

「そうよ。
で、大事なのはここからよ?」

「は、はい。」

身構えるシンジ。

「…シンジ君は、付き合うって何だと思う?」

「は、はい?」

「あたしは、お互いの良いとこと悪いとこを認めあって補っていくことだと思うの。」

「…補完、ですか?」

「難しくいうとね?
その点ではもう二人は出来てるみたいだし。」

「ちょっ、ちょっと待ってください!?
ぼ、僕とアスカは、付き合ってなんかないですよ?」

「でも、ずっと一緒にいたいと思う、そうでしょ?」

「…はい。」

「シンジ君なら、絶対大丈夫よ。
自信を持ちなさい、ね?」

「でも…」

「でも?」

「僕とアスカって見た目的に釣り合わないような気が…」

「(けっこうシンジ君、美形だと思うんだけどなぁ)うーん、じゃあ、イメチェンしてみない?」

「イメチェンって、例えばどうするんですか?」

「そうねぇ…髪型を変えるとか。
シンジ君、アスカの好きな髪型分かる?」

「…理想の人なら分かりますよ。」

「どんな人?」

「…加持さん。」

―ミサトが盛大に噴き出し、シンジが質問責めにあったのは言うまでもないだろう。
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