【END and RE:TURN】

□来日
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オーバー・ザ・レインボー。

そんな優雅な名に相応しくない無骨な姿の巨大な戦艦上で、三人の少年達が、顔に手形を作っていた。

「見物料よ、安いもんでしょ?」

これが、少年と少女―シンジとアスカの出会いだった…



「…もう来ていい頃なのに。」

シンジは不安だった。

何故なら、来日するはずの赤毛の少女が来ないのだ。

無論、そろそろ来日するはずというのは彼の経験にもとずくのだが―

「何かあったのかな…」

母の墓参りの話が舞い込んできたのは、そんな時だった。



「…久しぶりだな、二人でここに来るのも。」

「前に来たときは逃げ出したんだっけね…」

―あの時は、認めたくなかった、母の死を

―でも今は、いつも側にいると感じることが出来る

「…母さんの、何か残ってないの?」

「ここにはない、すべては心のなかだ―」

―今は、それでいい

「…父さん。」

「…何だ?」

「僕は、父さんのこと、恨んでなんかないから、だから…」

「……」

父は、ただ黙って聞いていた。

「…また、最初から、やり直せないかな?」

「…私にそんな時間はない。」

「…そうだよね、ごめんなさい。
変なこと言って…」

―分かってたんだ、こうなることは、心のどこかで…

―でも、信じたかったんだ、父さんを…

「すべてが終わった時には…」

「…?」

「…時間だ、私はもう行く。」

ヘリへと歩いていくゲンドウ。

「…父さんっ!?」

父の歩みが止まる。

「…何だ?」

「…ありがとう。」

「……大人になったな、シンジ。」

そう言って、父は去っていった―
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