【END and RE:TURN】
□生命
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「……社会科見学、興味ない?」
退院早々、夕食の席で唐突にミサトは二人にそう切り出した。
「社会科見学、ですか?」
「そう、戦ってばっかじゃシンジ君もアスカもつまんないでしょ?」
「アタシは辞退するわ。」
「え?」
「だって、社会科見学って工場とか見て終わりでしょ?
ぜぇったいにつまんないわ。」
「ふーん……そう、残念ね。
じゃあ、シンちゃんは、どうする?」
「うーん、場所にもよりますけど…」
「なんでも『生命の価値が分かるとこ』、らしいわ?」
「らしいって…、もしかして知らないんですか?」
「…実はね、これを企画したの加持なのよ。」
「加持さんが?」
途端、食い付くアスカ。
「そう、あいつ何考えてんのかしらね…
で、どうするの?」
「加持さんが計画したんなら、つまんなくはないわよね…」
しばらく思考を巡らした後。
「…うん、前言撤回。
やっぱ行くことにする。」
と、アスカが考え直したのは当然だろう。
「じゃあ、アスカが行くなら、シンちゃんも行くわね?」
「か、からかわないでくださいよ、ミサトさんっ!?」
「あはは、ゴミンゴミン♪
でも、あたしがいない間、楽しくやってたみたいじゃない?」
実は先日のシンジの行動は、すべて監視カメラに映っており、それがMAGIのネットワークを経由し―
「…シンジ君、やるわね。」
―リツコにすべて見られ、保存までされていた。
もちろん、翌日にはNERV職員にも周知の事実となり、二人はNERVに行く度に職員の生暖かい眼差しにさらされ、顔を真っ赤にしながら、現在まで堪え続けている。
「もぅミサトぉ、本当にやめてよぉ…」
顔を真っ赤にして恥じらうアスカ。
(やっぱり、かわいいなぁ…)
それを見て何故か顔を赤くするシンジ。
(アスカも変わったわね…)
そして、感慨深げに二人を見つめるミサトであった。