【END and RE:TURN】

□決意
1ページ/4ページ


NERV内部、病室―

…ンジ、シンジ―

「―バカシンジっ!?」

「…ん、アス、カ?」

目が覚めると、そこにはアスカがいた。

「シンジ…、まったく、心配かけんじゃないわよ、このバカ?」

瞳に涙を溜めながらシンジの額を指でつく。

「…ごめんね?」

イタズラっぽく笑うシンジ。

それにつられてアスカも笑みを浮かべる。

「まったく…お帰り、シンジ。」

「…ただいま、アスカ。」

二人はそう言って、お互いを抱きしめた。

「…で、アンタに会いたいって奴がいるんだけど?」

抱きあったまま、耳もとで囁くアスカ。

「僕に?」

「そうよ?」

そう言ってシンジから離れる。

「…入っていいわよ?」

「…!?」

扉の先にいたのは銀髪、真紅の瞳、それは間違いなく―

「―カヲル君っ!?」

「お帰り、シンジ君?」

「カ、カヲル、君…」

思い出される、二人の出会いと別れ。

―歌はいいねぇ、リリンの生み出した文化の極みだよ。
そうは思わないかい、碇シンジ君?

―僕にとって生と死は等価値なんだ。

―さぁ、僕を殺してくれ…

そして、落ちていった頭―

「―ごめん、ごめんよ、カヲル君…」

嗚咽を洩らしながら咽び泣くシンジ。

「いいんだ、シンジ君。
今度は違う選択をしてみせるから…」

そう言って、カヲルはシンジを抱き締めた。

「あ、あ、ああ、うあああああああああああぁぁぁ…」

号泣するシンジ。

そして―

「やっぱり、バカね…」

―そう言いながらも瞳を潤ませるアスカであった。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ