【END and RE:TURN】

□決別
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NERV内部、自販機前―

「本当に散々だったな…」

加持はそう呟き、独り無精髭を弄った。



数時間前、NERV総司令執務室―

「…もう一度問う、どこに隠した?」

威圧感を放ちながら静かに問うゲンドウ。

「…何度も言いますが、命がけで盗んだ物をまた盗む訳無いでしょう?」

そう言い切る加持。

目の前にあるのは無惨にも破壊された『ネブカドネザルの鍵』が入っていたアタッシュケース。

「冬月、赤木博士に自白剤を持ってくるよう伝えろ。
出来るだけ強力なのを頼む…」

加持から目を反らさずに言うゲンドウ。

「碇…、分かった。
すぐに持ってこさせよう。」

そう言って出ていく冬月。

そして、静かになる執務室。

「……」

「……」

誰も口を開くことなく一時間程度が経過した。

そして透明な液体を手に、冬月が戻ってくる。

「…記憶を消し去る程の物だそうだ。
良いのか、碇?」

「…構わん。」

「…司令、一つ頼んでもよろしいですか?」

口を開く加持。

「…何だ?」

「葛城に、愛していると、伝えていただけないでしょうか…」

「…あぁ、それだけか?」

「えぇ、これで心おきなく、コイツを飲めます。」

そう言って、その液体を手に取る。

「すまない、葛城…」

液体を一気に飲んだ加持。

「…?」

何も、起こらない。

しばらくたっても、全く変化は見られない。

「…ただの水だ。」

そう言って、顔の前で組んだ手の影でニヤリと笑うゲンドウ。

「……」

唖然とする加持。

「自分で飲んだということは、本当に無関係らしいな…」

そう言って、考え込む冬月。

「…心当たりが無いのか、君は?」

「…おそらく、ゼーレの仕業でしょう。
私たち以外にこれの存在を知っているのは彼らだけでしょうし…」

無精髭を弄りながら話す加持。

「…目的は分かるか?」

「…自分たちの邪魔をさせないためでしょう。
向こうもおそらくコイツを狙っていたハズですから…」

「分かった…、もう出て行って構わん。」

「…計画はどうなさるおつもりで?」

「…君には関係の無いことだ。
だが…、いや、何でもない、行きたまえ。」

「はいはい…」

そう言って、加持は執務室を後にした。
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