【END and RE:TURN】
□思い出
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晴れて退院出来たシンジとアスカ。
二人は学校が無期限の休校となってしまったため学校には行かず、葛城邸にいる。
「ねぇ、シンジィ…」
「なぁに、アスカ?」
「何でもなぁい…」
…見ている方が苛つくぐらいにベッタリな二人。
「…ねぇアスカ?」
「なぁに、シンジ?」
「綾波とカヲル君、大丈夫かなぁ…」
「どうかしらねぇ…」
*
「…何してるの?」
小声で聞くレイ。
「掃除してるのさ。」
そう答えるカヲル。
「どうして…?」
「その方が気分がいいからね。」
「そう…」
―住むところが決まっていなかったカヲルは、現在レイの住んでいるマンションの一室に居候している。
殺風景な部屋に美少女と美少年という、あまりにもミスマッチな組み合わせ。
元々ここに住んでいたレイは気にしなかったみたいだが、カヲルは綺麗好きだったらしい。
レイが退院し、戻ってきた時には既に部屋には塵も埃も無くなっていた。
「後で家具でも買いに行くかい?」
「必要ならそうするわ…」
「じゃあ決まりだね?」
そう言って微笑むカヲル。
「……」
それを見て少し頬を染めるレイだった。
*
「…まぁ仲良くやってるでしょ、似た者同士ね?」
「そうだよね…、カヲル君と綾波って確かに似てるし。」
「見た目も中身もね?」
「うん…、そろそろ何か食べない?」
「そうね…、今日は何にするの?」
「今日はね…」
言いかけたところで、鳴り響く携帯。
「…ほら、適当にパンでも食べて行くわよ?」
「ごめん、パン切らしてるんだ…」
「「……」」
沈黙する二人。
「…行こう、アスカ。」
そして、二人は葛城邸を後にした。