【END and RE:TURN】
□心ー弐ー
1ページ/4ページ
―シンクロ率、基準値をオーバー。
異状は見られません。
「ん〜、やっぱエヴァの中が一番いいな〜」
ピンクのプラグスーツに身を包んだ少女が久々の感覚に歓声を上げた。
マリである。
「やっと戦えるんだ…」
待ち望んだ戦線への復帰が遂に叶ったのである。
「…ワクワクするなぁ!!」
顔を輝かせるマリであった。
*
「…問題は無さそうね?」
確認の意味も込めてリツコに言うミサト。
「えぇ、明日からでも実戦配備可能よ。」
それに対してリツコは簡潔に答える。
「ユーロ支部からのプレゼントとはねぇ…、わざわざ送ってくるなんて、期待されてるのね、マリ?」
感心感心といった感じのミサト。
「…逆よ。」
「へ?」
「…また報告書読んでないの?
ユーロ支部では相当問題児だったらしいわよ、あの子?」
呆れながら答えるリツコ。
「厄介払いって訳か…」
それを聞き、ミサトは頭を抱える。
「そうなるわね。
問題児でも戦力は多い方がいいでしょ?」
「そうねぇ…、まぁ悪い子じゃないしダイジョブよ?
司令に実戦配備の許可取ってくるわ。
後はお願いね、技術部長さん?」
「えぇ、葛城作戦部長。」
こうして8号機の起動実験は無事に終了した。
*
葛城邸、シンジの部屋―
現在二人はベッドで横になっている。
「…そういえば今日って8号機の起動実験だよね?」
不意にシンジが呟く。
「そうよ?
まぁマリなら問題ないでしょ。」
「信じてるんだね、真希波のこと…」
「あったりまえじゃない!!
アンタもそうでしょ?」
「うん、でも羨ましいなぁって…」
寂しそうに呟くシンジ。
「もしかして妬いてんの?」
アスカはそれを聞いてニヤッと笑う。
「違うよ。
ただ、なんか良いなって思って…、ねぇ、アスカは真希波といつからそんなに仲良くなったの?」
「…知りたい?」
急に顔を近づけるアスカ。
シンジの心臓の鼓動が一気に速くなる。
「う、うん…」
「長くなるわよ?」
「そ、それでもいいよ?」
「そう…、分かったわ。
じゃあどこから話そうか…」
そう言ってアスカは話し出した―