【END and RE:TURN】

□未知
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「…パターン青、間違いありませんっ、使徒ですっ!?」

「MAGIが何者かにハッキングを…、駄目ですっ、このままでは押さえきれませんっ!?」

「マヤッ、手伝ってっ!?」

「は、はいっ!?」

襲来した使徒。

それはリツコによって進化の終局、死へと導かれた微生物状の使徒だった。

シンジとアスカから話を聞いていたリツコは早速キーを打ち始める。

まるでピアノを奏でる様に躍る指先。

マヤも負けず劣らずの速さでキーを打つ。

そして全ての準備が終わり、後は実行するのみとなった時、それは起こった。

「…パ、パターン青、新たに出現っ!?」

「な、何ですって!?」

シナリオと違う事態。

さらに予期せぬ事態は続く。

「あ、新たに出現した使徒が最初に出現した使徒を侵食…」

声を震わしながら状況を伝えるマコト。

「そ、そんな、いったい何が…」

「分からない、こんなの有り得ないわ…」

混乱するリツコとミサト。

「か、完全に侵食…っ!?
パ、パターン青、しょ、消滅していきますっ!?」

「自らを消しているというの…」

まるで使徒を倒すことが目的であるかの様に消滅していく使徒。

「か、完全に消滅しました…」

静まり返る本部。

「碇、これは…」

まさかといった目でゲンドウを見る冬月。

「冬月、あとを頼む…」

ゲンドウの額に冷や汗が浮かぶのを冬月は見逃さなかった。

「…あぁ、分かった。」

冬月はそう言って見送るしかなかった。



暗闇に浮かび上がるモノリス。

威圧感のある声でその内の一つが話し始めた。

―先ほど起こったことの意味が分からないほど馬鹿ではないだろう、君は?

「…脅しですか?」

そう短く言い、ゲンドウはモノリスを睨み付ける。

―我々の計画には君たちが持っているリリスと人形が必要なのだ。
君に手放す気がない以上、まだ手を切られては困るのだよ。

―その気が君にないのなら、我々への反乱としてそれ相応の措置は取らせてもらわねばならん。

「……」

黙り込むゲンドウ。

―…話はそれだけだ。
使徒の殲滅が完了するまでに答えを出しておくんだな。

そう言ってモノリスは闇の中に消えていく。

独り暗闇に残されたゲンドウ。

「それでも、私は…」

そう言って、彼はその場を後にした。
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