【END and RE:TURN】

□始動
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爆走するルノーの車内で、シンジは独り考えていた。

(…戻ったはいいけどこれからどうしよう。
アスカは今頃ドイツだし…それまでは綾波と二人だけで闘うことになるんだろうな…
綾波…、今度は絶対に守るんだ。
綾波だけじゃない、アスカも、ミサトさんも、リツコさんも、加持さんも、マヤさんも、日向さんも、青葉さんも、トウジも、ケンスケも、委員長も、そして…父さんも。)

「…ンジくん、シンジくん!!」

「は、はい!?」

シンジの思考は彼を呼ぶ元同居人―葛城ミサトの声で中断された。

「ちょっと、なーに辛気くさくなってんのよ?
…まぁ無理もないか、あんなの見たあとじゃね?」

「す、すみません、葛城さん…」

「あらーん?
さっきみたいにミサトさんって呼んでいいのよ?」

「…からかわないでくださいよ。」

「あはは、ゴミン、ゴミン。
でも、本当にミサトでいいからね?」

「…はい、ミサトさん。
あの、それで…」

「あっ、そうだった。
これ、着くまで読んどいてね?」

そう言って、ご丁寧に表紙に『極秘』と書かれた資料を渡す。

「あ、ありがとうございます(本当は全部知ってるんだけどな…)。」

その時車内で携帯の着信音が鳴った。

「ん、ちょっちゴメンね…」

そう言ってミサトはハンドル片手に電話に応える。

(あれでよく事故起こさないよなぁ…
まぁ今起こされても困るんだけど。
それにしても、またあそこでミサトさんと住むことになるのかな…?)

そんなシンジの思考はミサトの『伏せてっ!?』という一言と、凄まじい爆風によってまたしても中断されることになった。
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