【END and RE:TURN】

□告白
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(よく考えてみれば、これって、デートじゃないか!?)

シンジは、個室で顔を真っ赤にしていた。

(よくよく考えたら、こ、これって、まるでデートじゃない!?)

同じく顔を真っ赤にしているアスカ。

―二人はさっきから、お互いに下を向いたままで、まだ一曲も歌っていない。

(あ、焦っちゃ、だめだ。
ん、待てよ…、アスカが行こうって言ったってことは…、まさか、いや、でも…)

(こ、これって、アタシが誘ったのよね。
じゃ、じゃあ、もうシンジに、アタシの気持ち、ばれちゃってる…?)

そして、沈黙が破られる。

「ア、アスカっ?」

「は、はいっ!?」

二人は顔を真っ赤にしたまま、お互いを見つめ合う。

(アスカが、誘ってくれたんだ。
ぼ、僕も、それに応えないと…)

何かを決意したシンジ。

「え、えーと、さ、先に歌ってもいいかな?」

「そ、そんなのいちいち聞かないでよっ!?」

「ご、ごめんっ!?」

「あ、いや、そうじゃなくて……あぁもうっ!?早く歌いなさいよっ!?」

「は、はいっ!?」

そう言って、シンジはデンモクを弄り出す。

(ここまで来たら、もう後には引けない…)

「で、な、何を歌うの?」

「ぼ、僕のっ―」

「…?」

「―き、気持ちを、歌うからっ!?」

「…え、え、えええぇ!?」

「と、とにかく、聞いて、ね?」

「わ、分かったわ。
そ、そこまで言うんなら、聞いてやろうじゃないのっ(なっ、何強がってんのよアタシは…)!?」

―そして、運命の曲が始まった。
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