【END and RE:TURN】

□生命
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そして、社会科見学当日―

「すごぉい!?
見てシンジ、水が…」

「うん、すごいなここ…」

この世界では、あの海から還りきれなかった生命が、まだ海を赤く染めている。

もちろん、人を含めて…

(海洋生物研究所…ここであの海を浄化してるんだ…)

複雑な気持ちになるシンジ。

確かにあの海では生き物は生活出来ない。

しかし、あの海は、過去に生命が生きていた、証でもある。

―いや、形がないだけで、生命はまだ、確かにそこにあるのだ。

(…犠牲の上に、僕らは生きているんだ…)

「あ、加持さぁん!!」

アスカの声によって現実に戻される。

―よく来たな、二人とも。
まぁ、これからが大変なんだがな?

「「…へ?」」



「うぅ…」

「プラグスーツも何も着ないで直接シンクロした時のことを思い出したわ…」

「ほら、二人とも、こっちだ。」

「わぁ…」

「…すごぉい!!」

目の前では、巨大な水槽の中を様々な生命が悠々と泳いでいた。

「あ、ここにいるのって、もしかしてペンギン?」

「あぁ、コウテイペンギンって言ってな、もともと南極で生活してたんだ。」

「へぇ…、ペンペン連れてくれば良かったわね、シンジ?」

「あ、うん…」

「ちょっと、なぁにしけた顔してんのよ?」

「うん、ごめん…」

「…今は、楽しみましょうよ?」

「…え?」

「楽しんでないと、アタシ、泣いちゃいそうだから…」

「アスカ…」

彼女の瞳には既に涙が溜まっている。

(そうか、アスカも人を殺してるんだよな…)

それも、自分のように間接的にではなく、直接、自らの手で。

仕方無かったとはいえ、消えることの無い罪。

彼女も傷付いていた。

いや、自分以上に、傷付いていた。

「…うん、楽しもう、アスカ!!」

「うん!!さぁ行くわよ、バカシンジ!!」

「……」

その様子を、遠くから見つめる、加持であった。
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