【END and RE:TURN】
□堕天使
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初号機、エントリープラグ内―
「こんな時なのに、やっぱり、落ち着くな…」
―母さん、ここにいるんだよな…
「母さん…」
―シンジ君、調子はどう?
シンジの思考はミサトによって中断された。
「…はい、いつでも、行けます(今を生きてるんだ、僕たちは…)。」
なら、今を守ることを、考えればいい。
ーそう…
頑張ってね、シンジ君…
「…はい。」
そう応えた彼の瞳は、決意に満ちていた。
*
2号機、エントリープラグ内―
「いつものことだけど、やっぱり落ち着くわね…」
―ここにいるのよね、ママ…
「…ママ、アタシ、守るから―」
―みんなを、世界を、そして―
「―今を。」
決意に、拳を強く握りしめたアスカであった。
*
零号機、エントリープラグ内―
「…碇君。」
レイは独り、考える。
「…私は、私の存在意義は、何?」
―綾波は、綾波なんだよ…
「…私は、綾波、レイ。」
―守るよ、何があっても…
「…私は―」
―独りじゃ、ない
「…誰も死なせないわ、私が守るもの。」
レイの中で、何かが芽生えた、そんな瞬間だった。