【END and RE:TURN】
□休息
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「……」
シンジの部屋に入ってから、既に1時間程経過している。
特に何かをするわけでもなく、アスカは独り、ベッドに寝そべっていた。
「…ん?」
何かに気づくアスカ。
「…これって、アタシとシンジの、写真?」
そこにあったのは、丁寧に写真立てに飾られた、一枚の写真。
「そうだ、あの時加持さんが…」
それは、あの社会科見学の時、加持が撮ってくれた写真。
二人が一緒に写っている、唯一の写真。
「写真、この一枚しかないものね…」
―急に、心細くなる。
ここに来てから自分はシンジに甘えっぱなしなのだから、寂しくなるのも当然だろう。
「…たまには何か、プレゼントでもしようかしら?」
―でも、何を?
「そういえば…」
そう言うとアスカは、クローゼットの中を確認する。
「…決まりね。」
そこには『平常心』、『童心』、『克己心』などの漢字が書かれた、正直持ち主の趣味を疑う様な服しか置いていなかった。
「…待ってなさいよ、バカシンジ!!
このアタシがコーディネートしてやるんだからっ!!」
―そう言ってアスカは、部屋を後にした。