【END and RE:TURN】
□破滅
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―シンジ君、レイ、使徒は強力なATフィールドを持っているわ。
恐らく、独りであれを中和することは不可能に近い…
「……」
黙り込むシンジ。
―…でも、二人なら無理じゃない。
使徒がジオフロントに姿を見せたら、二人で使徒のATフィールドを中和、その間にこっちで総攻撃を仕掛けるわ。
いいわね?
「…はい。」
「…分かりました。」
静かに応える二人。
―じゃあ、頼んだわね、二人とも。
そう言って、通信は切られた。
*
そして、使徒が姿を現す。
「…っ!?」
シンジはATフィールドを展開、レイもそれに続く。
―攻撃開始っ!?
ミサトの声と同時に、ミサイルの暴風雨が吹き荒れる。
ミサイルは使徒へと向かっていき―
―瞬間、走る閃光。
―…そんなっ!?
「…くっ!?」
ミサイルは使徒に届く前に、すべて撃ち落とされていた。
ゆっくりと降下して来る使徒。
「…あああああああああああぁぁぁっ!?」
走り出す初号機。
―…レイ、シンジ君の援護をお願い。
「…了解。」
匍匐し、スナイパーライフルを構える零号機。
「目標をセンターに入れてスイッチ…」
銃弾は使徒へ命中、一瞬仰け反る。
「目標をセンターに入れてスイッチ…」
再び命中する銃弾。
―そして、零号機に身体を向ける使徒。
「…綾波っ、そこから離れてっ!?」
「…っ!?」
横に跳ぶ零号機。
先ほどまでいた場所が、使徒のATフィールドによって潰される。
一瞬、隙が出来た使徒。
「…あああああああああぁぁっ!?」
そのまま使徒を押し倒す初号機。
「ああああああああぁぁぁっ!?」
そのままコアを殴りつける。
一発、二発、三発と殴ったところで、使徒の目が妖しく光る。
「…ぐっ!?」
宙を舞う片腕。
そのまま勢いよく吹っ飛ばされる。
「う…」
「…碇君、避けてっ!?」
「…!?」
その場を離れようとする初号機。
だが、少し遅かった。
「…ぐあああああああぁぁっ!?」
―シンジ君っ!?
「碇君っ!?」
潰された両足。
自らの血を浴び、身体を赤黒く染め上げる初号機。
「…綾波、ごめん。」
「…え?」
「約束…、守れそうにないや…」
「…まだ、終わってないわ。」
「え…?」
次の瞬間、真紅の巨人が、二人の目の前に姿を現した。