【END and RE:TURN】
□決意
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しばらくして落ち着いたシンジ。
「…ありがとう、カヲル君。
また会えて嬉しいよ…」
その目は泣きはらした為に真っ赤になっている。
「僕も会えて嬉しいよ、シンジ君…」
そう言って、見つめ合う二人。
「カヲル君…」
「シンジ君…」
「…ちょっと待ったあぁっ!?」
色んな意味で、危ない雰囲気を壊したアスカ。
「「…?」」
首を傾げる二人。
「…シンジ、アンタそんな趣味ないわよね?」
「…そんな趣味?」
「…ホモじゃないかって聞いてんのよ。」
「…え、え、ええぇっ!?」
驚くシンジ。
「…で、どうなのよ?」
「そ、そんなわけないじゃないかっ!?
カ、カヲル君はだ、大事な友達で…」
しどろもどろになりながらもシンジは答える。
「…アンタはどうなのよ?」
そう言って、カヲルに身体を向ける。
「うーん、愛に性別は関係ないよね?」
*
「…酷いことをするね、君は?
僕が何かしたのかい?」
―片目を晴れ上がらせ、唇を血で赤く滲ませながら微笑むカヲル。
一言で言うと不気味である。
「よーく胸に手を当てて考えてみなさい…」
冷たく言い放つアスカ。
「こうかい?」
…何故かアスカの胸に手を当てたカヲル。
「「…!?」」
「…うん、思ったより小さいね?」
「カ、カヲル君…」
「どうしたんだいシンジ君、そんなに顔を真っ青にして?」
「…イ、イヤアァアアアアアアァァッ!?」
*
「え、えーとアスカ?」
壁にめり込んで動かないカヲルを無視してアスカに話しかける。
「…何よ?」
明らかに機嫌の悪いアスカ。
「綾波と、2号機に乗ってた子は…」
「…お見舞いにでも行く?」
*
「来てやったわよ、マリ?」
「…んにゃ?」
人の気配を感じ、目を覚ます少女。
そして、シンジを見つける。
「君は初号機の…」
「は、初めまして、碇シンジです。」
「シンジ君かぁ…、真希波・マリ・イラストリアスでぇす、よろしく、ワ・ン・コ・く・ん?」
「ワ、ワンコ君っ!?」
何故か顔を赤くするシンジ。
「だってなんか捨て犬みたいじゃん、君?」
そう言って、笑うマリ。
「捨て犬って…」
「くす…」
笑いを堪えるアスカ。
「…大丈夫なの?」
「うん。
ワンコ君の方こそ何か大変そうだったみたいだけど大丈夫?」
「うん、もう大丈夫だよ。
えーと、こちらこそよろしくね?」
「うん、仲良くしようね、ワンコ君?」
ニコッと笑うマリ。
「う、うん、じゃあ僕たちはもう行くね?」
「うん、じゃあねワンコ君、ヒメ。」
そう言って、二人はマリの病室を後にした。
*
「いい人みたいだね?」
微笑むシンジ。
「…浮気すんじゃないわよ?」
ドスを効かして言うアスカ。
「そ、そんなことないよっ!?
そ、それに僕はアスカ一筋なんだからっ!?」
「バ、バカっ!?
声でかいわよっ!?」
顔を赤くするアスカ。
「ご、ごめんっ!?」
「ほ、ほら、レイのとこ行くわよっ!?」
そう言って顔を真っ赤にしながらシンジを引っ張るアスカだった。