【END and RE:TURN】
□記憶
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―目標は衛生軌道上にて沈黙。
動きはありません。
マヤの声が耳に入ってくる。
「…アイツってことね。」
蘇るあの時の感覚。
まるで心を無数の針で刺された様な、あの感覚。
「…堪えるしかないわね。」
覚悟を決めるアスカ。
―少しいいかい?
「…何よ?」
急にカヲルに話しかけられるアスカ。
―僕に罪滅ぼしをさせてくれないかい?
「は?」
―君の胸を触ってしまったことだよ…
「…別にもういいわよ。
それに、アイツだけは私が倒さなくちゃいけないの、絶対…」
―そうなのかい?
「その為に開発して貰った様なもんなんだから、これ。」
そう言って、レールガンを構える2号機。
ロケットランチャーは前回の戦いでは通用しなかった。
いや、使徒に届きすらしなかった。
しかし、このレールガンの最大出力時の射出速度なら、理論上使徒に届く。
今こそ、あの時の屈辱を晴らす時なのだ。
「…アンタはアイツのフィールドを中和するだけでいいわ。
後は、アタシがやるから。」
―因縁の相手ということかい…、分かったよ。
そう言って、通信は切られた。