【END and RE:TURN】

□思い出
2ページ/4ページ


「はぁ…」

―シンジ君、どうしたの?

シンジのため息に気付くミサト。

「…昼何も食べてないんですよ。」

―あれ?
たしかパン、買い置きしてなかった?

「もう切らしちゃいましたよ…」

―そっか、あたしが最後に家に帰ってから結構経ってるものね…

かれこれ一ヶ月以上、ミサトはNERVに缶詰めだったのだ。

しかも最近は書類の山との闘いのせいで、電話もろくに出来ていないのである。

自宅の状況が分からないのも仕方のないことだろう。

「仕事が忙しいんだし仕方ないですよ。
それにもう慣れましたし…」

―ごめんねシンジ君…

「大丈夫ですよ、ミサトさん?」

そう言って笑うシンジ。

少し救われたミサトだった。



「さすがにお腹減ったわね…」

独り呟くアスカ。

「…ミサト、聞こえる?」

―何、アスカ?

「いつになったら帰れるの?」

―本当にごめんね、まだしばらくはダメなのよ…

「じゃあ、ちょっとだけ抜け出せない?」

―うーん…、たぶん大丈夫だけど?

「じゃあシンジと三人で何か食べに行きましょうよ?」

さっきのシンジとの会話を思い出すミサト。

―…いいわね、それならカヲル君とレイも呼ばない?

「あの二人は終わったら買い物するとか言ってたわよ?」

―ふーん、分かったわ。
何でも奢るからシンジ君と一緒に考えといてね?

「分かったわ。
ありがと、ミサト。」

―ふふっ、じゃあ頑張ってね?

通信が切られる。

「…場所はもう決まった様なもんよね?」

そう言って笑うアスカだった。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ