【END and RE:TURN】
□思い出
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「はぁ…」
―シンジ君、どうしたの?
シンジのため息に気付くミサト。
「…昼何も食べてないんですよ。」
―あれ?
たしかパン、買い置きしてなかった?
「もう切らしちゃいましたよ…」
―そっか、あたしが最後に家に帰ってから結構経ってるものね…
かれこれ一ヶ月以上、ミサトはNERVに缶詰めだったのだ。
しかも最近は書類の山との闘いのせいで、電話もろくに出来ていないのである。
自宅の状況が分からないのも仕方のないことだろう。
「仕事が忙しいんだし仕方ないですよ。
それにもう慣れましたし…」
―ごめんねシンジ君…
「大丈夫ですよ、ミサトさん?」
そう言って笑うシンジ。
少し救われたミサトだった。
*
「さすがにお腹減ったわね…」
独り呟くアスカ。
「…ミサト、聞こえる?」
―何、アスカ?
「いつになったら帰れるの?」
―本当にごめんね、まだしばらくはダメなのよ…
「じゃあ、ちょっとだけ抜け出せない?」
―うーん…、たぶん大丈夫だけど?
「じゃあシンジと三人で何か食べに行きましょうよ?」
さっきのシンジとの会話を思い出すミサト。
―…いいわね、それならカヲル君とレイも呼ばない?
「あの二人は終わったら買い物するとか言ってたわよ?」
―ふーん、分かったわ。
何でも奢るからシンジ君と一緒に考えといてね?
「分かったわ。
ありがと、ミサト。」
―ふふっ、じゃあ頑張ってね?
通信が切られる。
「…場所はもう決まった様なもんよね?」
そう言って笑うアスカだった。