乗り換え注意報!

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扉から乗り込んで来たトレーナー達の片方は、白黒の双子もよく知ったポニーテールの少女だった。

「あれ、トウコ珍しい!トウヤと組んでないなんて」
「ノーマルで会うのも久しゅうございます」
「今日は嫁パで挑戦なんですよ!あ、紹介しますね!」

ひょい、とトウコが横へ避けると、背の高さゆえ隠れられていなかったもう一人のトレーナーの全身があらわになった。
トウコより頭一つか、それより少し高いくらいの身長。長袖のTシャツの上に半袖のパーカーを羽織り、ズボンは七分のカーゴパンツ。
目深に被ったキャップのせいで、表情は伺えない。

「グレイさん、最終車両ですよ!サブウェイマスターのノボリさんとクダリさんです!」

トウコが掛けた声に、俯いていた顔がひょいとこちらを向く。どうも、と小さな声がして、キャップの下の前髪が揺れた。
その瞬間、グレイと呼ばれた彼(彼女?)の瞳がノボリを射抜く。蛍光灯の光を受けて不思議な色に輝く瞳に、彼は一瞬呼吸も忘れて見入ってしまった。
トン、とこっそりとした衝撃に横目でクダリを見遣る。

「(ねぇノボリ?トウコ、まるで恋する乙女みたいな目してるね)」
「(……確かに、グレイ様は見目麗しゅうございますから)」
「(それでバトルも強いみたいだしね、あ、駄目だぼく早くバトルしたい)」
「(それでは始めましょうか)ご紹介頂いた通り、わたくしサブウェイマスターのノボリと申します。傍らに控えるは同じくサブウェイマスターのクダリ。さて、マルチバトル───」


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