乗り換え注意報!
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マルチトレインの七両目───つまりは最終車両で、黒いコートの男がノーマル用の手持ち達に最終チェックを入れていた。その車両に存在するもう一人、白いコートの男はモンスターボールをお手玉のようにして遊びながら黒い男に声を掛ける。
「最終車両まで来るのは久しぶり!トウコとトウヤかな?」
「あのお二人なら、スーパーマルチに挑むでしょう」
「てことは?」
「初見ではまずわたくし達まで辿り着けませんから」
「再挑戦!うわぁドキドキしてきた!早くバトルしたい!」
「わたくしもでございまし!」
《すんません、負けてしまいましたわ!挑戦者の方行ったんで、よろしゅうお願いしますー。》
それぞれ黒と白のコートを纏った双子は、年上の部下からの連絡に左右対称に顔を見合わせた。
但し、口元だけは違っている。
「りょーかい!」
「全力でお相手致しましょう!」
二人の声に応えるように、トレインの扉ががらりと開いた。
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