乗り換え注意報!

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sideトウコ



『ごめんね、ちょっと………』

そう言ってグレイさんは車両の端っこに歩いて行った。
さっきの電話は一体誰だったんだろう?グレイさんは結構露骨に嫌な顔をしてた。

「ところでトウコ様、トウヤ様は本日は厳せもごぉっ!」
「トトト、トウヤなら今日は家で寝てるハズですっ!来てること言ってませんからっ!」

よけいなこと言いそうだったノボリさんの口をあわててふさぐ。
グレイさんが、厳選とかそういう廃人行為をいやがるのは、これまでのトレインでわかっていた。
そっと後ろを見たけど、グレイさんはこっちに背中を向けていたから、わたしの行動には気付いてないみたい。

「…………ごめんトウコ、そろそろノボリ離してあげて……」
「え、あ!すみません!」
「げほっ………死ぬかと思いました……」
「この場合殺されるだよね!犯人トウコだし」
「うっ………すみませんでしたって!ところで、あの………ギアステの一角、工事中になってましたよね?あれ、どしたんですか?」
「あ、話反らしたー。アレはね、オープントレイン!」
「レベル均一なしで、純粋に強さだけを求めるトレインでございます。」
「わ、楽しそう!」
「一ヶ月後に開始の予定なのですがしかし問題がありまして」
「ぼくとノボリ、どっちがマスターとして乗るかなーって」
「トウコ様、お乗りになって」
「くださいませーん!」
「で、ございますよね………」

しょぼーんと肩をおとすノボリさん。楽しいバトルをした後だからか、感情表現がオーバーである。

「まぁ、わたしじゃなくたって見つかるでしょ、」

う、と言いきったその瞬間、どなり声が車両に響く。
もちろんここには四人しかいなくって、そのうち三人が一緒に話してるんだから、その声は一人しかいない。

かしゃんと、彼女の手から赤いライブキャスターが落ちていった。



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