乗り換え注意報!

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sideグレイ


《ふむ、実はオーキド博士から君がイッシュ地方に行ったと聞いてね。それならば是非君に頼みたい事があるのだ》
『はぁ………断ります』
《実は!………ん?断る?》
『はい。お断りします』
《待て待て!話だけでも聞いてくれ!》
『嫌です面倒臭そうなんで』
《そ、そう言わずに!》
『………まぁ、じゃあ聞くだけなら』

あぁ、くそ。自分が甘いって自覚はある。受けるつもりが無いんなら聞くなって話だ。

《君は今イッシュ地方に居るんだな。………ん?ああわかった、代わるよ》
『何言ってんですかー』
《もしもし、代わった。わたしは、イッシュ地方のポケモン協会理事長だ。》

うわぁ、またそっくりさん。
と言いそうになるのを必死で抑える。流石私。頑張れば出来る子。

《君に頼みがあるのは実はわたしでね》
『はぁ、ハジメマシテ』
《君に、ギアステーションに新設されるトレインに乗って欲しい!》
『………は、あ?』

体が一気に冷える。一瞬で声と表情が固くなったのが自分でもわかった。
ちらりと背後を確認。トウコちゃんとサブウェイマスターの二人は楽しげに話している。仲、良さそうだなぁ。

『無理、ですよ。理由は、カントーの理事長にでも聞いてください。』
《待ってくれ、話だけでも!給料だって中々だし、君にしか───》
『っるさいなぁっ!』

あ、やっちった。
そう思った時にはスデに遅かった。
軽い、カシャンという音をたててライブキャスターが地面に墜落する。
こんな事になるなら赤色を選ばなければ良かったなぁとそれを眺めながら、ぐしゃり、踏み潰した。
駄目だなぁ、あたし。



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