乗り換え注意報!

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sideグレイ



ぼんやりと目を開けた。
あれ、ここどこ。ベッド?
まだぼやける視界で辺りを見回すと、ここはどうやら休憩室で、私が寝てたのはソファーらしい。
腰にモンスターボールがあるかをまず確認してしまう辺り、こういう状況に慣れてる感が否めないぜ!
キッチンがあるらしい方から、カチャカチャと食器の音が聞こえた。
目の前の机には小さな機械──多分通信機だ──が置いてあったので、こっそり手を伸ばして電源を切っておく。
これでよし。

「………、あ、嬢ちゃん。気ィ付いたんか」

さっき音がした方を見ると、緑の服を着た男の人………あれこの人見たことある。

『坊主じゃないって、気付いたんですね。あれ帽子………』
「あぁ、それならほい。………すまんかったな。バトルん時からそう思っとった」
『あ、20両目で戦った人!』

少し気まずそうにするコガネ弁の人。名前は忘れた。

「せやせや、よう覚えとったなぁ。ワシな、コガネシティ出身やねん」
『あー、グレイです。出身はワカバタウン………コガネにも行った事あります』

そう言うと、やっぱりや、 と男の人は笑った。

「なんやジョウトの匂いがしたんやー!コガネ弁にも驚かんかったし!ワシはここギアステーションでてつどういんしとる」
『てつどういん………』
「グレイも乗ったやろ、トレイン!あれに乗ってバトルするんが、ワシの仕事や」
『………そう、ですか。あ、あの』

私もう行きます、そう言おうとしたところ。
ダダダダダダッ!
ガチャッバン!

「ア、アァーッ!クラウドサン、ココニイタンデスネ!?ボスカラノ連絡聞キマシタカ?ッテ、アレソノ子………」
「わ、なんやキャメロン?」
『あわわわわムッくんさいみんじゅつ!』

誰かが凄い勢いで部屋に走って来て凄い勢いでドア開けて部屋に入って来て凄い勢いでコガネ弁のおっちゃんに掴み掛かっていったので、勢いに任せてついゲンガーのムッくんを出してさいみんじゅつしてしまった私は悪くない。
うん、悪くない。

「キャメロンンンン!?」
『えーと、十分くらいで目ェ醒めると思います!私はここで失礼します!』

がん、と頭を打った男の人を見ないふりしてそそくさと立ち上がる。

『あ、人相手に技撃つチャンピオンは一人じゃないって、覚えといた方が良いですよ!あと、通信機は外さず持っといた方がいい!』

振り替えって告げると、おっちゃんは少しポカンとした後慌てて耳に手をやる。

『さよなら!』



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