乗り換え注意報!

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sideグレイ




まるでカレカノみたいに腕を組んでトウコちゃんと歩いていると(私が逃げないように、らしい。まぁトウコちゃん幸せそうだからいっか)恐る恐るといった感じでトウコちゃんが尋ねてきた。

「あの、失礼かもしれないんですけど、きいてもいいですか───あそこまで怒った理由」
『ふむ、ええと、何の話をしてたかはサブウェイマスターの二人から聞いてる?』
「はい」

そういう事なので、歩きながらノボリさんに説明したような事をもう一度最初から話した。
ら、無言で俯かれた。あれー?

「やっぱり、どこにでもいるんですねそういう人」
『まぁね。しかもそういう人ってさ、中々その近くで野生として生息してないポケモン使うからさ。仲間も居なくて余計酷くって』
「あの、でも──ええと、どう言ったら分からないんですけど。もちろんそういう人もいるんですけど………ギアステーションとバトルサブウェイを、嫌いにならないでもらえませんか?そういうところじゃあないんです、本当は。レベルフラットのルールっていうのは、もともと……ええと、なんていうか。まったく同じ状態で、トレーナーがどれだけ自分のポケモンの力を引き出せるかって、そういうことを考えて作ったんだって、言ってたんです。ノボリさんとクダリさんがすっごく嬉しそうに、わたしがはじめてあそこに行ったとき、教えてくれたんです。あの二人はもちろんほかのトレーナーだって、きっとポケモンが大好きで、でもちょっと勝つことだけを目指しちゃったトレーナーがいるだけで、えーと、だからそういう人たちが悪いんであって、レベルフラットルールは悪くないと、思うんです」

たどたどしく、一言一言考えながらの言葉だったけど、だからこそトウコちゃんの言葉は私の胸に響いた。

『罪を憎んで人を憎まず、ってところかな………』
「え?」
『いや、なんでもないよ』

実際には、人を憎んで施設を憎まずだけどね。
それでも彼女を安心させる為に、にこりと笑ってみせた。

『そうだな、帰ったら久しぶりにバトルフロンティアにでも行こうかなぁ。あ、バトルフロンティアってのはホウエン地方のバトル施設だよ』
「うわぁ、行ってみたい……って帰ったらダメですよ!」
『いやカントーに帰りたいんだけど』
「だからダメで───あっ」
『どうした?』
「すいません、ライブキャスター売り場通り過ぎちゃいました………」

………どうやらトウコちゃんには、どじっ子特性があるらしい。




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