乗り換え注意報!

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sideトウコ



ライブキャスター売り場に三日ぶりに来たけど、わたしとグレイさんはこの前買ったのとまったく同じのを買う事にした。
赤い、手に着けないタイプ。

「グレイさんって赤好きですね?」
『えっ?あ、あー確かに。なんか選んじゃうねェ』
「何か理由があるんですか?」
『えー、理由………う、』

何か思い当たったのか、少し赤くなるグレイさん。
え、なにその反応。

「好きな人なんですね!?」
『ええ!?いや違う!好きとかじゃなくて!その、ううう……憧れ?みたいな……』
「キャー!カッコいいんですかっ?」
『ま、まぁそりゃ何故か多いイケメンの知り合いの中でも一際………ってそうじゃなくて!あーもう私これ買ってくるからっ!』

赤い顔のまま、グレイさんはすねたようにレジに走って行った。
なんか、新しい一面を知っちゃったなぁ………
尊敬する人、ってグレイさんより強いのかな?あ、でもその前にグレイさんともバトルしてみたい!
手持ちは何がいいだろう、やっぱりレベル重視の旅パだよね。トレイン用の手持ちを選ぶ時に少し見せてもらったけどあれはすごい。多分本気で行ってもレベル負けはするだろうから………奇襲作戦で行こうか。グレイさんはイッシュのポケモンをよく知らない。それはまぁ、わたしだってあちらのポケモンは知らないけど、まぁ手持ちのうち何体かは特性まで分かってる。なら少しはこっちが有利だよね。
がちゃがちゃとパズルみたいに組み上げられていく戦略に、人知れず笑ってしまう。

『トーウコちゃーん?』
「ひゃっ、はいっ?」
『いや、悪い顔してたね』
「そう、ですか……グレイさん早かったですね」
『うん、説明とか全部受けなかった、から───』

へらっと笑ったグレイさんが言葉を言い終わる前に────
小さな、悲鳴が響いた。




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