乗り換え注意報!

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珍しく夜勤も無かったぼくとノボリは、死ぬ気で仕事を終わらせて定時にギアステーションを出た。

「流石にもうポケモンセンターに居るでしょうか」
「あれから2時間だよ?いくらなんでもそこまで悩まない!」

少し早足で薄暗い道を歩く。日が出てる時間に帰れるのはいつぶりだろうって考えながら、目指すはポケモンセンター!


*********

どごぉ……おぉん
「あれっおかしいな爆発音が聞こえた!」
ざざざざざざ……がっがが
「何やら嫌な予感が致します!」
どばしゃああああぁ
「えええまって待ってこれ裏のバトルフィールドからだよね!?」
ずがぁああん
「ジョーイ様曰くグレイ様とトウコ様が居られる筈のバトルフィールドからでございますね!」
「ぼくすっごいこのドア開けたくないかな!」
「わたくしだって嫌でございますよ!?」

張り上げないと声も聞こえないような爆音は、グレイとトウコがいるというポケモンセンターの裏から。
最終的にドアはじゃんけんで負けたノボリが開けたよ!
けど、開けた瞬間すごい風と一緒に半端ない砂ぼこりが吹き荒れる。

「ぶふっ!?」
「砂口に入ったっ!」

それでも必死に目を開けると、吹き荒れる砂の中に2つの人影があるのが見えた。

「あ、グレイっ!!トウぶへっ、トウコっ!」

声を掛けて大きく手を振っても、こちらに気付いたのはグレイだけで。トウコは必死に砂嵐の中を見つめてる。
…………あれ、これってもしかしてトウコ押されてる?
巻き上がる砂嵐の中を見ていたトウコは、不意にがっくりと膝をついた。

「負けた………」

遠目でもそう呟いたのが分かった。
トウコは、1年とちょっと前にあくのそしきであるプラズマ団を潰して、あ、いや倒して、チャンピオンになった。まだ子どもだけどその実力はぼくとノボリも認めてる。
そのトウコに、余所見する余裕さえ持って勝ってしまうグレイを、純粋にすごいと思った。





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