乗り換え注意報!

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sideグレイ



ぷるるるる、ぷるるるる

『ううっく、眠い……あと5分…』

ぷるるるる、ぷるるるる

『ううるさいいい……』

ぷるるるる、ぷるるごんっ

『あいたっ』

延々と鳴り続けるライブキャスターを無視してベットに潜り込むと、硬い物体が頭に当たった。
のそのそと頭を出すと、ミズハが苛立たしげに尾を振る。
あーあー出ろって事ですね!
五月蝿いもんねこれ!

『っつか………まだ5時だよ、誰だよ……もしもし?』
《あ、グレイちゃん?久し振りだね》

激しく後悔した。

『………やっぱりあんただったんだね、理事長に番号教えたの』
《まあ正式に依頼されちゃったしね》
『個人情報の漏洩と千里眼の無駄遣いだよ────マツバさん』
《こっちの番号はまだ誰にも教えてないから安心しなよ》

そう言って笑う声の持ち主は、千里眼を持つジョウト地方のゴーストタイプ使い、マツバさんだ。
どうやらこいつの千里眼から私のライキャス番号は流れたらしい。

『元々落ち着いたら知り合いには教えるつもりだったっての』
《うん、知ってるよ。でも早くしろって言われたしね》

そう言ってまた笑う。
格好よくて優しいって人気のマツバさんは、とある事件以降私に意地悪だから少し苦手だ。
あれ、いや最初から意地悪だったかも。
やっぱジム戦3タテしたせいかな。

『あーもう、マツバさんのせいで就職しちゃったんだから』
《………え?ちょっと待って、就職?》
『あれ、まだ視てないの?』
《イッシュは遠いから疲れるんだよ》
『そんなもんすか。まぁ、そういう事だから帰れないんだ。皆によろしく言っといて、じゃあ』

ぶちりと通話を切ってのびをする。
もー、マツバさんのせいで目が覚めたー。
とぐろを巻いていたミズハをボールに戻して、パジャマ──といってもTシャツにジャージ──の上にパーカーを羽織って部屋を出る。
2階建て、ジョウトやカントーとよく似た様式で建てられたこの家が、駅長さんの家だったらしい。
2階にあった部屋を出て階段を下りれば、どこか良い匂いが漂ってきた。




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