乗り換え注意報!
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sideグレイ
一応持ってきてたチャンピオンマントを見せると、二人ともきらきらとした目で感嘆の息を吐いた。
「はぁー、ほんまに凄い奴やったんやなぁ」
「す、凄いですよ!チャンピオンに会えるなんて!」
『いやぁそれほどでも………ありますけど!』
「あるんかいっ!」
『チャンピオンですし』
「まぁせやな」
とんとんと進む会話に、やっぱりコガネの人と話すのは楽しいなぁとか思う。
土地柄がこれほど出る場所もないと思うけどね(笑)
「っと………ここやな」
「ボス達は丁度トレインに乗っていていませんが、駅長さんがいらっしゃ、イテッごめん、いるはずだよ」
『うい、ありがとうございますクラウドさん、もう迷子ならないようにねカズマサくん』
「んー、善処する!」
「とりあえずワシがついてくから安心しとき」
『迷子んなったらちゃんと連絡するんだよ』
「ワシの信用ナッシング!」
『それじゃあまたいつか。』
そう言って、歩いてくカズマサくんに手を振ってクラウドさんに頭を下げてから扉に向かい直る。
『この中に駅長さんが………』
あの家の持ち主で、ノボリさんとクダリさんと、ついでに私の雇い主。
今まで見てきた、そういう高い役職に居る人達を思い浮かべて、扉を開けるのを少しだけ躊躇った。
でも、しょうがない。
腕を上げて、小さく息を吸って、
『こんにちわ。呼ばれました、グレイです』
ノックの後に告げると、柔らかい声が返ってきた。
「入りなさい………待っていたよ」
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