乗り換え注意報!
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sideグレイ
ジャッキーさんに連れていかれた先は、この前私が居た部屋だった。
ソファを見て、そういえばこの前頭ぶつけてたっぽい人は大丈夫だったかな、と思い出す。
「皆さん、こちらグレイさんで、この度新しく出来るオープントレインのサブウェイマスターとなった方です!」
『えっ、あ、よろしくお願いします!』
しまった、ジャッキーさんに全部自己紹介されてしまった!言うこと無いじゃんこれ!
「へぇ、決まったっての、ホントだったのさ。あ、ぼくはラムセス。よろしくね」
「あ、グレイちゃんさっきぶりー!」
「……シンゲンデス、宜シクオ願イシマス」
「いないのはクラウドさんとキャメロンさんとトトメスさんですね」
ラムセスさん、カズマサくん、シンゲンさん………うーん、忘れそう。ていうか、居ないって事はまだ増えるのか………
ふと目を上げると、えっと………ラムセスさん?と目が合った。
「きみ、出身は?」
『あ、ジョウト地方です』
「ふぅん、成る程………ねぇジャッキー、ぼくの休憩時間はまだ残ってたよね?」
いきなり話を振られたジャッキーは慌てて「はい」と答えた。
「皆さんの休憩は、あと30分程残ってます!」
その言葉を聞いて、ラムセスさんはニヤリと口元を歪めた。
「なら丁度良いのさ。グレイちゃん、バトルしようか」
『ええっ!?』
突然の誘いに驚いたのは私だけでは無い筈だ!現に皆もほら………
「今カラデスカ?」
「え、バトル終わります?」
「一体どこで……」
ってバトル自体に異論無いんかい!心配するところ時間と場所なの!?
「場所は………そうだね、地下訓練場でレベル50均一、1対1ならきっと終わるのさ。そこまで心配する必要無いのさ」
口端は緩く上がってはいるが、視線はこちらを鋭く刺したまま………なるほど?私を試すつもりですな。
『………はぁ、良いですよ。新人の実力は気になるでしょうし、そちらが大丈夫ならばこちらは構いません』
バトルは好きですしね、と肩を竦めてそう言えば、ラムセスさんは、良かった、と笑った。
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