乗り換え注意報!
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sideグレイ
所変わって地下訓練場とやら。
1対1か………だったら弱点突かれてもそれなり対抗できる技持ってるアリアかな。ごめんねスイガ、お前の出番はまた今度だ。レベル均一のせいでごり押し出来ないんだよ。
一緒に着いて来ていたシンゲンさんが部屋(と言うには広すぎるけど)の端にあるレバーを下げると、少し体に負荷が掛かる。
それと同時に表れたバトルフイールドの中はもっと負荷が掛かるんだろうな、とため息をついてボールを構えた。
「それでは、えっと………何て言えばいいかな」
『ワカバタウンのグレイ』
「ワカバタウンのグレイ対、てつどういんのラムセス!それではバトル開始っ!」
響いたカズマサくんの声と同時に、私とラムセスさんの間で赤い光が二つ弾けた。
『いけっフライゴン!』
「頼むのさツンベアー」
ラムセスさんの前に現れたのは一度見たことある氷の大熊で、少しだけ焦る。
『かえんほうしゃっ!』
「おや、タイプは知ってるのさ?………見れば分かるか、つららおとし」
えぐい。つららおとし怖い。
『ちょ、避けて!じしん!』
「とりあえず削らせて貰うのさ、あられ!」
『ちっ、あぁ、すなあらし!』
とりあえず天候は変えさせてもらったが、今回のルールは公式バトルと一緒のため使える技は4つまで…………もう既に3つ使ってしまったぁああ!!
『くっ、かえんほうしゃ!』
「避けてくれ!」
あまり速くないから少しかすったけど、しかしまだツンベアーは元気だ。
え、まだ……?何あれ耐久型なの?
「ふぶき!」
あ、と思ったが、出した技を逆手に取られてしまった。
うわ、どうしよっ………
『あーっもう!突っ込めアリア、かえんほうしゃ!』
叫んだ瞬間酷い砂嵐の中からアリアが飛び出して来た。
ふぶきを放ち続けていたツンベアーも流石にこれには驚いたようで一瞬だけふぶきの勢いが弱まる。そして───それを逃すような鍛え方を、私はしてない!
『いっけぇえええ!』
「っく、耐えてくれ……!」
びゅお、と冷たい風が頬を撫でた。ゆっくりと倒れる大きな影………
勝者は───
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