乗り換え注意報!
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さっきのポケモンはムシャーナというらしい。
駅長さんと今後の事を話し合う為に勧められたソファに座り紅茶とお菓子を頂いてるなう。(ちなみにゲッコウは膝の上にいる)
「それで……はい、これが書類だよ。何か希望はあるかね?」
『あ、っと……勤務時間ですかね……週に2日は休みが欲しいです。もし稼ぎ時とかで休めない時は振替休日で……』
「あぁ、そこは分かっているよ。最初の内は週に4日、働いて貰うつもりだ。その内1日はトレインに乗って欲しい」
『はい』
「それと───」
と言おうとして、駅長さんは言葉を止めた。
それと同時にこの部屋の扉がノックされる。
「入りなさい」
「失礼しま──あ、すみません。ご来客でしたか」
「いいや、構わないよ。ついでに挨拶してしまいなさい、これからは色々あるだろから」
「はぁ、色々ですか」
そう言ってこっちを向いたのは、柔らかそうな髪の青年だった。絶対ふわっふわだよ。顔立ちも柔和だ。
「てつどういんの、ジャッキーと言います」
『グレイです、えっと』
「オープントレインに乗ってくれる事になったんだよ」
「本当ですか!?」
ぱっと顔を明るくしたジャッキーさんは、私の両手を掴んでぶんぶんと上下に振る。痛い痛い。
「ジャッキーは次期駅長候補なんだよ」
『そうなんですか?』
「ギアステーションの事なら、駅長の次に良く知ってる自信があります。………仕事の方は、まだまだですけど」
そう言って笑うジャッキーさんはきっとギアステーションが大好きなんだろう、とても誇らしげたった。
「よろしくお願いしますグレイボス」
『ボスなんて言わなくて良いですよ』
「いいえ、こういうのはきちんとした方が良いので」
『さいですか………』
それはそれは、カズマサくんとは違い丁寧な態度だなぁ。まぁカズマサくんが悪い訳じゃないけど。あの時点で彼は私の事知らなかったもんねー。
「あっ、そういえば今丁度休憩時間なので、皆さん休憩室にいらっしゃる筈ですよ?ご挨拶に行きますか?」
『皆さん…………行きます』
とりあえず!駅長さん、ジャッキーさんは信用するとして………私はゲッコウをボールに戻してジャッキーさんの後を追った。
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