特命
□優雅な一日
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今、特命に帰っても、また暇をもて余すだけだったので、廊下をうろうろしていた。すると。
「あん?カイトじゃねーか。」
「あ、伊丹さん…どうも。」
「なんでここにいんだ?」
「いや、なんでって言われても…。ちょっと、暇だったので…あ。」
暇という言葉を聞き、伊丹さんの眉間にシワが寄る。
ぐぐぐ。と寄せた眉間のシワを目の前に持ってこられて、俺は身を引いた。
「暇…か。」
「はぁ?」
いつも聞き慣れている、彼のセリフを聞いた気がして間抜けな声が出てしまった。
「よかったな?」
「は、はい。」
怒られると思っていた俺は、腰から力が抜け…。
「うぉ!?カイト!あぶねぇ!」
伊丹さんは、さっと俺を抱き抱え支えてくれた。でも、伊丹さん…。
「か、お…。」
「あ?」
「顔近いです。」
そう言った側から、顔をまじまじと見つめてくる。
はずかしくて、耐えきれなくなって、俺は伊丹さんを弾き返した。
「って!」
「すすすす!すいません!!」
もう、ここにはいれないから、伊丹さんのもとから走り去った。