庭球
□とりあえずください、
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※リョーマin四天宝寺
財前視点
この世で死ねばいいのに、と思う奴はたくさんいる。
特にこの白石蔵ノ介。四天宝寺テニス部部長で、皆が大好きな、リョーマの彼氏。
毎日毎日、部内でイチャつきやがって、好きな人位後輩に譲ればいいのに・・・大人気ない。
「財前」
「何すか?変態部長。リョーマを渡す気になりましたか?」
「あぁ、せやな。って、アホ!んなわけあるかいな!!」
大阪特有のツッコミをいれてくる。だが、俺にとってはボケたつもりは全く無い。それにしても、『変態』というワードを無視したということは自身でも認めたのか?
正直、ドン引きだ。
確かにリョーマに対して皆変態であり狼だが、認めることはないだろう。
「で、結局何の用すか変態。」
「俺はリョーマ専用の変態や。やのうて、どっかにカブトムシ居らへんか?」
「カブトムシ?」
部室のドアが開くと共にリョーマが顔を出す。可愛くてつい見惚れていると、早速抱きつく変態。イラっときて手に力が入ると、善哉についていた紙のスプーンが折れてしまった。
「蔵、カブトムシが欲しいの?カブリエルが居るじゃん」
妥当な質問だった。部室にいたカブトムシが可愛かったらしく今でも飼っている・・・らしい。
「それがな、カブリエルのお嫁さん探しとんのや。アイツも一人じゃ寂しいやろうし」
隣に座らせず、自分の膝の上に乗せることでまたもやイラっとし食べ終えた善哉の容器を握り潰してしまう。
あぁ、あのリョーマの前でヘラヘラしている顔を殴りたい。
「じゃあ、俺がカブリエルと結婚する」
ゴミ箱に投げ入れようとしたゴミが床に落ちてしまった。そりゃあ、好きな人が「カブトムシと結婚する」なんて爆弾発言をしたら誰でもそうなるだろう。
いや、冷静に考えれば『相手が白石ではない=コイツには飽きた』ということなのか?自分なりに方程式を組み立てていると白石がなにやら訴えかけている。
「リョーマそれはあかんで!もしかして、俺が嫌になったんか?」
「な!?そんなわけ無いじゃん。だって俺・・・蔵のこと大好きだから」
あーもーなんやねん。この変態のどこがええねん!さっき認めたし、録音しとけばよかったわ。まぁ、リョーマが何故カブトムシと結婚すると言ったのか気になったのでその場に残ることにした。
「じゃあ、何でなん?」
「・・・・・・っ、だって!カブリエルと結婚したら、蔵と一緒に居れるかなって」
・・・・そうですか。何っでこんなに可愛いねん。このツンデレ。あ、鼻血でそうや。そう思い、すかさず鞄の中からティッシュをとりだす。その間にも変態が後ろからリョーマに抱きつき、頬にバードキスを繰り返している。
「そんなんせんでも、ずっと一緒や。離す気はないで、俺が幸せにしたる。リョーマ」
わかった。もういい。これ以上見とくと白石に対しての嫌悪感が募りすぎておかしくなりそうなので、席を立ち、コートに出た。
丁度来た一氏を八つ当たりとして、一発叩く。するとキレたのか追いかけてきたので、先にコートに居た遠山を巻き込む始末。
まぁ、今日の結論は・・・・
「変態部長死ね。てかリョーマを早く渡してください」
バカップルに付き合うのは疲れた。その内リョーマは奪うが・・・。
「蔵、大好き。愛してるよ」
「当たり前や。俺も愛しとるで、リョーマ」
「いや・・・・部活は?」
・・・・やっぱり今すぐ奪ってやる!!!