MAIN
□白塗りの向こう側
1ページ/4ページ
今日のスケジュールの収録が終わった。
貴「お疲れ様です」
樽「あ、お疲れ様です!」
この人は
最近よく当たるメイクさん。
貴「メイク…落としましょうか?」
樽「いいんですか?」
貴「はい、樽美酒さんに合うクレンジング
持って来たので…」
樽「マジッすか!」
貴「ではまた、メイク室で」
俺達は手を振って別れた。
喜「研二ぃ、またあのメイクさん?」
喜矢武さんが俺の首に手を回す。
樽「はぁーすっげぇ可愛い」
喜「まぁ俺もあのメイクさん、結構好き」
樽「だろ?」
喜「…そんなに好きならメアド聞けば?」
樽「無理だっつの!ぜってー噛む!」
喜「ははは」
…そう
メアドも知らない
知ってるのは名前だけ。
葵…だっけ?
名前もプロデューサーを通して知ったし…
結局一人じゃ何も出来ない俺。
-
-
-
貴「あ、待ってましたよ」
笑顔で俺を迎えてくれた。
貴「ついさっきモデルさんが
出て行ったんですよー」
樽「やったー!ラッキー♪」
貴「貸切ですね」
そう言って葵さんは微笑む。
…二人きりだから
ラッキーって意味だったんだけどな。
貴「ここに座って下さい」
俺は真ん中の椅子に座った。