怪盗話

□『1』
1ページ/4ページ



『兄さんのバカっ』


新聞を見て、怒鳴る一人。


『だから言ったのに。』


コーヒーを飲みながら、そう呟く。


先ほどから、この家の主人
海風凪が
新聞をみてる所は

ある誘拐事件の所。
凪の兄、風間千景が
誘拐事件を起こし捕まった。
前々からストーカーまがいのことをしていたが、それがあそこまでに………。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜


『天霧さん〜、不知火〜〜。』

「どうかしたか。」

「んー………。あ、それか。風間が起こしたって事件。」


凪が呼んだ人は
どちらも彼女の事務所の助手。

彼女の事務所と言うのは
元々は風間が使っていたものだったが

………まぁ先ほどのこともあり、

元助手で兄さんと張れる僕が受け継いだ。


『ホント、兄さんってバカ。』

「だから嫁のもらい手もすくねぇのかねぇ………」

「…………不知火。………海風さん。あなたに依頼が届いています。」

「知ってる。土方さんでしょ?なんか厄介な怪盗がこの辺フラついてるとか。」


土方、というのは
警視庁捜査三課の鬼警部補。
海風は、時々警視庁からの依頼を受けている。

『………まぁ僕も会ってみたいし、兄さんと張れる人……なんでしょ??』

「まぁ……そうですね。風間があれだけやっても捕らえることが出来ないほどですから。」

「まぁ海風。気をつけてな。」

『あぁ』



まさか、



この事件で

 
自分の恋情を知るとは





今は思わなかっただろう。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ