怪盗話

□『2』
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Side Mrs.umikaze


〜〜〜〜〜♪


『う…………』



誰かの鼻歌で初めて意識を取り戻した。



『だれ?』

【あ、目、覚めたんだ。】

『誰だ?』


クスクスと笑う声のみが聞こえてくる。
この部屋全体が真っ暗なので、相手が見えない。


【いやだなーー。さっき話したばっかだよ?】

『その声……浮薄か?』

【ご名答。】


かなり近くにいるのか、と思い
吊らされた身体を少し動かすと。


『いっ!?』

【あ、動かない方がいいよ?】

『………………。』


どうやらワイヤーか、かなり細い糸のようなものが身体全体にキツく縛られているようで。
その所為で頬と手首を切ってしまった。

【あーあ、傷、ついちゃったね。】  

『いたっ………。触んな。』

【やだ。】

『お前は子供か。』

【君だって人のこと言えないじゃない。】


未だに傷ついた頬を触り続ける浮薄。
これの何が楽しいのか……。と痛む頬にかおをしかめながら、


『で、何のようだ。』

【何って…………。うーーん…。逢い引き?】

『はぁっ!?』 

【嘘だって。】

『お前のは嘘に聞こえないんだよ。こんなろ。』

【クスクス………。本当君って面白いね。】


馬鹿にされてんのかな………。とか
ちょっと思ってしまった。

『だーーっ!!痛いってーの!!』

【本当君って、怖い。】


は?と思ってしまう。

そのまましばらく疑問符をかかげてたばくだった。



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