怪盗話

□『4』
1ページ/6ページ



ーーーーー


【……ちゃん!!】

『なぁに?……くん。』

【これ、あげる!】

『これは?なに?』

【………いつか、また…ちゃんと会えるものだよ。】

『なんで?なんでそんなこと言うの?
……くん!ねぇなんで!?』

【ごめんね。今は話せないんだ。】

『イヤだよ…。ずっと一緒にいてくれるって、言ってたよね。一緒にって』

【……ごめん。】

『いや、いやだ!!いなくならないで!!』

【ねぇ、………ちゃん。】

『なに?………くん。』

【約束、してくれる?】

『やくそく?』 

【うん。大きくなったら、探偵になって?かざまに負けないくらい。ね?】

『そうしたら………。』

【うん。……ちゃんとまた会えるよ。】

『かざまにいに負けないくらい……。できるかな?』

【君ならできるよ。だから、会える時まで……待ってて】

『うん!僕も待ってる!!また会おうね!………くん!!』

【バイバイ。……ちゃん。】




いつかの、悲しくて、決断の思い出。
あの人の名前、なんだったんだろう。



薄れゆく意識の中、僕はそんな事を考えていた。



→→→→
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ