怪盗話
□『4』
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【……ちゃん!!】
『なぁに?……くん。』
【これ、あげる!】
『これは?なに?』
【………いつか、また…ちゃんと会えるものだよ。】
『なんで?なんでそんなこと言うの?
……くん!ねぇなんで!?』
【ごめんね。今は話せないんだ。】
『イヤだよ…。ずっと一緒にいてくれるって、言ってたよね。一緒にって』
【……ごめん。】
『いや、いやだ!!いなくならないで!!』
【ねぇ、………ちゃん。】
『なに?………くん。』
【約束、してくれる?】
『やくそく?』
【うん。大きくなったら、探偵になって?かざまに負けないくらい。ね?】
『そうしたら………。』
【うん。……ちゃんとまた会えるよ。】
『かざまにいに負けないくらい……。できるかな?』
【君ならできるよ。だから、会える時まで……待ってて】
『うん!僕も待ってる!!また会おうね!………くん!!』
【バイバイ。……ちゃん。】
いつかの、悲しくて、決断の思い出。
あの人の名前、なんだったんだろう。
薄れゆく意識の中、僕はそんな事を考えていた。
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