怪盗話
□『6』
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Side Mr.Hijikata
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あれから2日──。
未だに凪の行方がわからねぇ。
浮薄に連れ去られてから、俺ら警視庁は凪の捜索に専念をしていた。
何でかって?
あいつがいねぇと後でうるせぇ奴がいるからだ(近藤さんとか、風間あたり。)
「ちっ………。もうカラか……。」
ぐしゃっと煙草のケースを潰す。
煙草も最近は1日2つだったが、
この2日間で1カートン入っちまうんじゃねぇかって、思うぐらい吸っていた。
それだけ、張りつめてんのか…俺…。
「土方さん」
「なんだ、原田。」
「近藤警部補から差し入れだ。」
てくてくと歩いてきた原田がそう告げ、
俺に出してきたのはブラックコーヒー。
「………あの人は自分が上司ってわかってんのかねぇ……。」
「近藤さんらしい…な。」
「警部補命令で、これを飲まれたら睡眠をとれ、だそうだ。
しっかりとれよ?徹夜で2日、寝てないんだろ?」
はぁ………。あの人は此処にいねぇのにそういうことには鋭いんだな。
ほんと、不思議だ。
あの人は。
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