呟く小人

□君は僕のモノ
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【凪ちゃ………。】

『何でだかわかる?』

【えっ?】

『僕が皆に笑顔になるの。』

【え、え?】

『わかったら離したげる。』


突然の発言に、
少々驚いてしまう。

とりあえず、思ったことを言ってみる。


【愛想振り撒くため?】

『ぷっ…………。クク………。』

【ちょ、何で笑うのさ。】

『僕がそんな人に見える?』


…………そんな風に僕には見えたんだ。


彼女は未だに笑っている。


【あーーもーー。降参だよ。分かんないや。どうしてなの?】

『笑ってないとな、心が折れるから………かな。』

【…………何でそんな事言うのさ。】

『………今は教えられない。
…時が、きたら…話す。』


そういった彼女の瞳は
涙でいっぱいだった。

いつから泣いていたんだろう。
肩を震わせ、今にも倒れそうだった。


『………っあ………。』


フッと僕を抱きしめていた身体の力が抜け、彼女はそのまま意識を失ってしまった。


【凪…………。】


泣いてしまうだけで気を失ってしまうな体質なのかな。
それとも、何か理由があるの……?

君のこと、知りたいよ。
ぎゅっと彼女の身体を抱きしめ、
そう思った。

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