Variations―変奏曲―
□教室にて
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―放課後の教室。
殆どの生徒が居なくなった
その空間に、一人の少年がいた。
「君は、綺麗な色だねぇ」
鈴の音のような声。
その白い指に留まるのは、青い鳥。
彼の言葉に、小鳥は嬉しそうに鳴き
美しい声で歌い出した。
少年―ピッコロは微笑み、歌い出す。
教室に響く、一人と一羽の歌声。
その姿は、夕陽に照らされて
ピッコロの銀髪混じりの黒髪と
小鳥の瑠璃色の羽は、輝いていた。
それに誘われるかのように
やって来た一人の少年が、
静かにドアを開いた。
「やっぱり、此処に居たのか」