Variations―変奏曲―
□体育館にて
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―休日の体育館。
人気の無い学園内で
唯一、数人の人影があった。
「全員揃ってるかー?」
その中心に立つのは、
肩まで伸びた金髪の少年。
その周りには、
彼と同じ金髪の少年達。
彼等の名前は、サクソフォン。
通称サックスと呼ばれ、
(外見上は)イケメン揃いと
人気者の兄弟であった。
…外見上は。
「で、今日は何するのさ」
不満気な声を上げるのは
兄弟の四男―ソプラノサックス。
「下らない事だったら帰るぞ」
厳しい意見を述べるのは、
次男―テナーサックス。
「…早く、終わらせろ」
低い声でボソッと言うのは、
長男―バリトンサックス。
「今日は、重大な話があるんだ!」
そして、自信満々に胸を張るのは、
三男―アルトサックスだった。
「今日の議題は、色気についてだ!」
「「「帰る」」」
「待てェェェ!!」
開始早々、解散。