あなたに託します…

□ここは、どこ
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部屋に入って少女を
布団に寝かせると
ちょうど、つららが水と
冷やしたタオルを持ってきた

つ「ぜん様、呼びますか??」

つららは心配そうに
少女を覗きこむと
あっ、と小さく声をあげた

つ「リクオ様、この子
さっきまで髪が
長くありませんでした??」

そう言われてみると
そうだ、

ぶつかった時の少女の髪は腰まであったはずだ。

今の少女の髪は
胸くらいまでしかない。


すると急に、微量だった
彼女の畏が少しずつ、
少しずつ大きくなってゆく

それに合わせるように
黒いストレートな髪が
癖毛の黒髪にかわり、
少女の顔が、体が、
少年のものへと変わる、
それと同時に髪も短くなり緩いウェーブがかった
短い黒髪を持つ
少年に変わった、

少女の耳についていた
寂しげなイヤリングには
紺色の花が咲いた。


少年はゆっくり目を開けた
彼女、いや、今は
彼と呼ぶべきだろうか、

彼は起きあがると
リクオににこりと
笑いかけた

『はじめまして、
僕は"一 -いち- "って名前
君たちは誰??』

リ「俺はリクオ、
奴良リクオ、
こいつは側近の
雪女のつららだ
お前は何の妖だ??」

『んー、わかんない
でも、あえていうなら
離れ子の妖。
僕らは生まれなかった
生まれる事が出来なかった赤ん坊の妖さ』

彼は少し寂しげに笑った
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