短編集

□赤い浴衣の似合う人
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「う〜日本に帰りたいよぉ…。」
ベッドに突っ伏し、項垂れる##NAME1##はまるで酸欠の金魚のようだ。
「おやおや、ホームシックですか?」
またどこからともなく現れるセバスチャンに##NAME1##はもう驚かなくなっていた。
「セバスチャ〜ン。だってロンドンに来てもう2ヶ月だよ?あ〜和食が食べたいぃ。」
余程のホームシックらしく##NAME1##は死ぬのではないかという落ち込みぶりであった。
「ジャッポネですか。ここからは遠いですし、そう簡単に行ける国ではありませんね…。」
客人には最高のもてなしを。シエルからの言い付けに背く訳にはいかない。真剣に悩むセバスチャン。しかしその悩みは
「##NAME1##のホームシックも困ったものネ。でももう心配はいらないワ!アタシが連れて行ってあげる。」
と言う声によって掻き消された。突然窓から入ってきたグレルにも##NAME1##は驚かない。
「本当!?うわぁい!ありがとぉ!!」
ぱあっと花が咲いたような笑みでグレルを見つめている。
「さぁ、そうと決まれば早速出発よ!10分以内に用意しなさい。アタシはウィルに有休出してくるわ〜」
そういいながら再び窓から飛び出して言った。
「どうやら解決したようですね。それでは私はこれで。」
セバスチャンはニッコリ微笑んだ。
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