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□腕の中(完)
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眞魔国第27代魔王ユーリ陛下は執務を脱走し、変装して護衛とともに城下にお忍びで遊びに来ていた。
「はあ〜…ギュンターのあの鼻血はどうにかなんないのかな…」
魔王ユーリはため息をつきながら言葉を発する。
どうやらギュン汁から逃れてきたようだ。
「あれはもう一種の病気ですからね。無理じゃないんですか?」
そう苦笑しながら答えたのは、魔王陛下の名付け親で護衛、そして恋人のウェラー卿コンラートである。
「コンラッド…;…ギュンターには順応力ってもんがないのかな…」
ユーリがぶつぶつ言っていると、コンラッドは徐にユーリの手を取り口づける。
「陛下にはそんなもの通用しませんよ。あなたにはいつも惹きつけられ魅入られる……」
「………陛下ってゆうな………///」
ユーリは恥ずかしくなりそっぽを向き何とかお決まりの言葉を言う。
「はい、ユーリ…では行きましょう。」
そのまま手を繋ぎコンラッドは歩き出す。
「えっ?あっ、コンラッド!手…//」
ユーリは抜き取ろうとするがコンラッドはそれを許さずより力を込めて握り振り返る。
「デートなんですからいいでしょう?」
「…あっ…えっ!?…あ…うん……///」
ユーリは俯きながらも少し握り返す。
コンラッドが嬉しそうな顔をしたのが見なくてもわかった…。
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