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□赦し(完)
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ユーリとコンラッドは久しぶりに城下へお忍びで遊びに来ていた。
ユーリは執務に缶詰、コンラッドはその間練兵や視察、その他諸々の仕事をこなし、夜は昼間の疲れからすぐに眠りについてしまい、二人の時間は全くと言っていいほど取れず、やっと一段落しこうして遊びに来たわけである。
「えへへ〜♪コンラッド〜♪」
ユーリはコンラッドの腕に自らの腕を絡めご機嫌だ。
コンラッドも久しぶりの二人の時間に優しい笑みを浮かべながらユーリを見る。
美男美女二人の甘い雰囲気に、すれ違う人々は嫉妬羨望の眼差しや温かい眼差しを向ける。
そんな向けられる眼差しには気づかず、二人はデートを満喫する。
「ユーリ、少し待っていていただけますか?」
「?うん。わかった。」
ユーリを噴水の縁に座らせ、絶対にここから動かないでくださいねと言う言葉を残し、コンラッドはどこかへ行ってしまった。
「…遅いなあ…。」
コンラッドがどこかへ行って約十五分。戻ってくる気配ゼロ。
…やだなあ…
ユーリは先ほどから感じる視線に困惑していた。
柄の悪そうな男が数人こちらを見て笑いながら何かを話している。
早く戻ってきてよぉ…
ユーリは不安になりながらコンラッドを待つ。
「…ユーリ?」
その五分後、コンラッドが戻ってくるとユーリの姿はどこにもなかった。
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