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□すべて(完)
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ユーリは体のだるさにふと目を覚ました。そして視線を探り、目に入ったのは…


「…何してるの?コンラッド…」


「あ、おはようございますユーリ、似合いますか?」


目を覚ますとそこは病院でした。





「いや、ええ…?」

…訂正。魔王の寝室でした。

「猊下が貸してくれたんですよ。」

しかしベッドの傍らの椅子に座っているコンラッドの格好がおかしい。いや、地球ではまあ見慣れた格好なのだがこちらでは有り得ない格好をしていたのだ。

一見固そうな実は柔らかい髪をオールバックにし、薄いフレームが銀色の眼鏡をかけ、Yシャツに、黒のスーツのパンツに革靴、その上に白衣を着て首には聴診器をかけている。

…立派な医者ルックである。


混乱しているユーリをよそに、コンラッドはベッドに眠るユーリの額の髪をかき分け額同士をくっつける。

「………ッ!?///」

いつもと雰囲気の違うコンラッドに至近距離で見つめられ、ユーリは顔を真っ赤にする。

「…まだ熱いですね……顔も赤いですし…」

そう言って心配そうに見つめてくるコンラッドの言葉に、ユーリはそういえば風邪を引いていたことを思い出す。

…顔が赤いのは別の理由だが…


「もう少し眠ってください。ずっと側にいますから…」

優しく微笑みながら手を握られ、ユーリは安心し、再び夢の中へと旅立った…。




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