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□lost love(完)
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ざわざわざわ・・・



「久しぶりー!」
「元気だったー?」
「キャーッ!変わってないわねえ」



ある居酒屋を貸し切り、とある高校のクラスの同窓会が開かれていた。



「結構皆揃ってんなー」

ビール片手に辺りを見回しながら、高校時代から女子に人気のあったイケメンの部類である佐伯が言う。

「明後日の成人式に出ない奴らも今日は…って来てるらしいぜ?」

隣に座り、その佐伯の悪友でもあった要が眼鏡を光らせ焼き鳥を食べながら答える。

「やっぱまだ二年しか経ってないとあんま変わってないわよね?」

その二人の向かいに座っているオレンジがかった茶色の髪がウェーブしている勝ち気そうな目をした倉木が言う。

「でも変わってない子は変わってないけど、変わってる子は変わってるよ?大学デビューって言うの?これは古いか(笑)」

倉木の隣に座り、前髪を真ん中分けして肩まで伸ばした私・藍川がチューハイを飲みながら口を挟む。

「だよな!おまえ誰だよってのが結構あんよな!」

「そうそう!」

酒も入り会話も盛り上がっていく。



「そういやーさー…渋谷って今日来んのかな?」
佐伯がぽつりと呟いた。

「あいつってそういえば進路どこ行ったんだっけ?」

「…確か親のツテで海外の会社に行ったんじゃなかった?」

「海外!?」

「マジ!?」

「……ん?」

私の言葉に男二人が目を丸くするが、入り口の方が何やら騒がしいことに気づく。



「…渋谷…?」
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