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□Curse of the Moon
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 静寂が潜む水面から掬い上げた月が
 此の両手の中で揺れては落ちる

 幾度捕まえたとしても
 結局私をすり抜けては歪む

 音など存在しない此の両耳を
 玉響に支配してはおとなう

 まるで月の聲のような滴達を
 私は捕まえ続けてしまう

 水面から月が姿を消す頃きに
 やっと呪縛から解放されるのだ





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