short dream
□運命はすぐそこに
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放課後ってすごく暇だと思うの。
部活にも委員会にも所属していない私には、これといってすることもなく、ただ時間が過ぎるのを待つだけだ。
『ねぇ、どっか行こうよ』
「私、これから用事あるから無理」
友達は薄情だ。
『用事って、なにー?』
「保養よ、保養」
予想外の返事が返ってきて
少し驚いた。
保養?はて、何を保養するというのだろうか。頭を抱え考え込んでいると友達がこう言った。
「黄瀬涼太」
ああ、そうか。
保養とは黄瀬涼太を見ることだったのか。
『なんで黄瀬涼太を見ることが保養になるの?』
「イケメンだから」
彼氏さんいるのに大丈夫なのかと尋ねると「それとこれとは別」と、なんとも言えない返事が返ってきた。
「というか、あんたも早く彼氏作りなさいよ?」
いらないっと返すと友達は呆れながらこう言った。
「一緒にバスケ部見にいくわよ」