その他
□colors
3ページ/7ページ
《1 〜side ベル〜》
過信
「なー、ルッス」
「なぁに、ベルちゃん」
全身包帯だらけで、同じ状態のルッスーリアとレヴィと共に並んだベッドの上。
隣のベッドに寝ているルッスーリアに声を掛ける。
「…今頃さ、戦ってんのかな」
「計画通りいってるなら、そうね」
「……ん」
小さくそう返して、ふっと目を逸らした。
アルコバレーノの呪いを解く。
チェッカーフェイスなる男のそんな一言から始まった、今回の戦争。
それにあたって、呪いのことを詳しく聞いて、実際に呪解したマーモンも見た。
俺らだって、血も涙もないわけじゃない。もちろんボンゴレや他のヤツと戦うのが面白そうだったのは大きいけれど、それ以上にマーモンが呪いを解くことにどれだけ必死になっていたかはずっと見てきたから、戦いに勝って、呪いを解いてやるつもりだった。
でも途中で復讐者が襲ってきて、俺たちはこの始末。沢田綱吉の言葉が正しいなら、チェッカーフェイスの言っていたことは全部真っ赤なウソだったらしい。
そして今、バミューダ以外のアルコバレーノとその全勢力が組んで、大きな計画が動いている。
それは、アルコバレーノが生き伸びるための計画。
俺たち負傷組は参加できなかったけど、計画内容は俺もだいたい知っている。そして、それが崩れることなく動いていれば、今この時、スクアーロとボスが、最強の復讐者イェーガーと戦っているはずだった。
「…ベルちゃん」
「ん?」
かけられた声に、再びルッスの方を見る。
「ナニ」
「不安なの?」
「は?」
そう言うルッスは、珍しく真面目な顔をしていた。
にっと笑って、口を開く。
「…ししっ、んなわけねーだろ。スクとボスだぜ?ラクショーじゃん」
そうだ。きっと、楽勝。
そう、思うんだけど。
「…本当に、大丈夫かしら」
「……知らねーよ」
やっぱり考えてることは、ルッスも同じらしかった。
復讐者の強さは、身を以て知っている。現に、前に襲撃を受けて俺たちはこうしてダウンしているし、あの時、スクとボスだってそれなりのダメージを負った。
今回は計画を練っているとはいえ、勝てる可能性は正直、低い。
「…ボスなら大丈夫だろう」
不意に、太い声が響いた。
「げ、レヴィ」
「あらレヴィちゃん、起きてたの」
「うむ。…ボスが負けるなど、あり得ない」
「…あり得ない、ね。つか、スクはいいのかよ」
「むしろ死んで欲しいものだな」
「ま、同感っちゃ同感だけどね。ししっ」
「まっ二人とも、スクちゃんだって仲間でしょ〜?」
なんて、他愛ない会話。
結局、俺たちはみんな、スクとボスの強さを信じてて。
本気で考えようとなんて、してなかったんだ。