Short
□モーニングコーヒー
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蒼様よりいただいたキリリクです!
「フラン相手でほのぼの」
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「おはよーございまーす…」
ふあぁ、とあくびを漏らしながら、幹部の雑談室と化している大広間の扉を開ける。
昨日の任務は、久々にキツかった。いくらミーがそれなりの術士だからって、あれだけの幻覚を一人に担わせるのはどうかと思う。
おかげで、今朝はいつも以上に眠い。…いや、もうかなり日は高いけれど。
「ん、カエルか。はよ」
ソファから出迎えてくれたのは、見慣れた金色の前髪だった。
それだけなら、いつもと変わらないけど…。
「あれー、ベルセンパイ一人ですかー?」
「ああ。みんな、任務とかボンゴレ行ったりとかで」
「珍しいですねー」
…ってことは、しばらくはベルセンパイと二人か。
「ふあぁ…、なんだ、いるのが堕王子だけなら、もっと寝とけばよかったですー」
「堕ちてねーしっ」
「げろ…」
いつも通り投げられるナイフの衝撃が、寝不足の頭に響く。
ミーがソファに座るのと同時に立ち上がったベルセンパイ。堕王子の行き先に興味はないのでほっといて、今日やることを整理する。
えーと、とりあえず、昨日の任務の報告書。これはまあ、そんな重い内容はいらないだろう。よし、適度にサボる方向で決定。
任務は…今夜も一件入ってましたねー。あ、報告書書かなきゃいけないのがもう一件あったっけ。さて、どこで仮眠を取ろうか。もういっそ、今日一日寝て任務の片手間に報告書作成なんて手も……いや、そんなことしたらボスに殺される。
………あー、ねむ。
とりとめもなく、一日にすることを考えていると。
コトリ。
不意に、目の前にマグカップが置かれた。
「……お?」
「ん。ついでな」
声がしたから見上げれば、自分の分のマグカップを手にしたベルセンパイ。
もう一度、目の前に置かれたマグを見る。
黒に近い褐色から立ち上る、香ばしい、良い香り。
「…コーヒーですか」
「ししっ、まだアタマ寝てんだろ、お前」
「グッジョブ」
あのベルセンパイがなんでいきなり、というのが疑問だが、今はありがたく、マグからコーヒーをすする。